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【dbts2025 レポート】Singlestore: Fraud Detection “On the Swipe” for a Major Regional Bank

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【dbts2025 レポート】Singlestore: Fraud Detection “On the Swipe” for a Major Regional Bank

こんにちは、プロダクト開発本部開発部の小堺です。
db tech showcase 2025 1日目のD8のセッションである「Singlestore: Fraud Detection "On the Swipe" for a Major Regional Bank」のレポートをお届けします。

セッション概要

Explore how leading banks and financial institutions are using SingleStore to power real-time fraud detection at scale. This deep-dive technical session will break down how modern data architectures are enabling instant insights and faster decisions to stay ahead of evolving fraud threats. Key highlights include:

Design patterns for low-latency fraud analytics, high-speed data ingestion, and hybrid transactional/analytical processing (HTAP) to detect anomalies in real time

Real-world architecture walkthroughs from banking use cases, showing how fragmented legacy systems were consolidated into a single, high-performance fraud detection platform

Technical deep dive into distributed ingest, real-time stream processing, vector search, and cloud-native scaling—delivering sub-second detection across billions of transactions

Lessons learned in meeting strict SLAs, achieving 10x-1000x performance improvements, reducing TCO, and future-proofing fraud prevention strategies in modern banking

スピーカー名:
Singlestore
APAC SE
Solutions Engineer
Prabhanshu Chauhan 様

Singlestore
APAC Sales
Senior Director, Strategic Partnerships, APAC
George Kuruvilla 様

セッション概要

本セッションでは、SingleStoreが提供するHTAP(Hybrid Transactional/Analytical Processing)アーキテクチャによる、リアルタイム不正検知システムの実装事例が紹介されました。従来のトランザクションDBとアナリティクスDBの分離による課題を解決し、単一のデータストアで両機能を統合する革新的なアプローチについて詳しく解説されていました。

技術的ハイライト

最も印象的だったのは、ETL処理を排除したアーキテクチャ設計です。従来の複雑なデータパイプラインが不要となり、アプリケーション開発の複雑さを大幅に軽減できる点は、開発者にとって非常に魅力的だと思います。特に、JSON、ベクトル、全文検索など多様なデータタイプを単一プラットフォームで処理できることで、RAGシステム構築時に別途ベクトルDBを立てる必要がなくなるのはシステム設計の観点から素晴らしい利点であると感じました。

実用性の検証

地方銀行の事例では、SLAが3日から51ミリ秒に短縮され、コストも4,000万ドル削減できたと報告されています。パフォーマンス向上については、トランザクションとアナリティクスが同一テーブルで実行されるアーキテクチャの恩恵として十分に理解できる結果だと考えられます。一方でコスト削減についてはOracleの高いライセンス費用も影響していると考えられますが、運用コストの大幅な削減は、大規模なシステムであるほど魅力的だと思います。

まとめ

SingleStoreのアプローチは、理論的な理想論ではなく実現可能で実用的なソリューションです。特に現代のAI/ML開発においては、複数の専用データストアを組み合わせる複雑性を回避し、単一のプラットフォームで統合的にデータ処理を行えることの価値は高いと思います。リアルタイム性が求められる不正検知、レコメンデーションエンジン、動的料金設定などの用途において、その真価を発揮するソリューションであると感じます。

聴講した感想

今回のセッションは期待していた以上に充実した内容で、特にトランザクションとアナリティクスを単一のデータストアで扱うためのアーキテクチャには本当に驚かされました。正直、最初は普通に新しいデータベースの話だと思っていたのですが、実際に聞いてみると全く違っていて、これまでの常識を覆すような革新的なアプローチでした。
デモでクレジットカードの不正検知がリアルタイムで行われる様子を見た時は、ユーザーの立場としても安心できるなと感じました。あんなに一瞬で検知できるなら、不正利用があってもすぐに気づけますし、銀行からの連絡も迅速に来るでしょうから心強いですね。
技術トレンドとしては、ビッグデータ分析の必要性が高まっている昨今において、こういったHTAPアプローチはきっと増えていくのではないでしょうか。企業がデータドリブンな意思決定を求められる中で、リアルタイム性と分析性能を両立できるソリューションの価値は今後ますます高まっていくと思います。

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