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初めてdb tech showcaseをフルオンラインで開催しました!〜運営所感編〜

初めてdb tech showcaseをフルオンラインで開催しました!〜運営所感編〜

こんにちは!インサイトテクノロジーマーケティング本部兼db tech showcase運営事務局の周です。

弊社主催の年次イベントであるdb tech showcaseは「db tech showcase ONLINE 2020(下記dbts2020)」と名を変え、完全オンラインイベントとして開催しました。時代を先取りしたというよりも、コロナ禍でやむを得ずというのが正直なところでした。

私は一昨年も事務局の一員として関わったのですが、オンラインイベントを運営するのは初めてなので、リアル開催時と相当異なる体験ができました。まずdbts2020の特徴を私なりに分析した上で、参加側からでなく運営側から見たオンラインイベントの良し悪しについて、自分の所感を共有したいと思います。

db tech showcase ONLINE 2020の特徴

2ヶ月半に渡る長期間での開催

db tech showcase 2019までの開催はリアル形式であり、昨年の本番は3日間で終わりましたが、今年のdbts2020は10月27日から12月10日まで開催され、オンラインイベントの中でも、一二を争うのではないかと思う2か月半にわたるロングラン公演でした。当初はなぜこの開催方法が選ばれたかと言うと、1日に複数のトラックではなく1トラックだけの配信にすることで、見たいセッションを漏れなく見られるようにすることが理由の1つでした。また、リアル時の「イベント感」を訴求するよりも「テレビ番組」に近い形式でオンラインイベントである「db tech showcase」というブランドを立ち上げることも考えていました。もちろん、出発点の考え方が良かったものの、実際に実行してみた結果は長期間開催の欠点も現れたので、これについて後述でも述べたいと思います。

事前収録とライブ両方ができる配信形式

一般的にテレビ番組と同様にオンラインイベントの場合、多くは生放送のようにウェビナーをライブ配信で行うものと、収録を行いイベント当日に動画配信する事前収録方式がありますが、dbts2020ではライブと事前収録が選べられるハイブリッド方式にしました。理由は、ライブでの臨時感と事前収録による安定の両方のバランスを取りたいからです。また、事前収録でもスポンサーの要望によって自らzoomなどで収録するのと弊社オフィスにおいて専門業者による撮影との2つの方法がありました。複数の配信形式でスポンサーの異なるニーズに対応できる一方、弊社にとっても今後のイベントの配信方法を検討する際に参考になれる実験場でもありました。

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(db tech showcase ONLINE 2020の配信様子)

セッションを開催期間中の特定時間にしか見られない

dbts2020のもう1つの特徴は、動画のアーカイブをイベント終了するまで公開しないということです。テレビ番組のように「この時間しか見られない」を強調することで、イベント期間中の集客を確保できます。もちろん終了したセッションを登録しないと視聴できないというオンデマンド配信形式も多くのイベントで使われていますが、どちらの方が集客数の増加につながるかは今後の検討課題になると思います。

運営側から見るオンラインイベント開催のメリット

在宅勤務でありつつも運営・サポートできる

昨年春頃の緊急事態宣言が発令された以降、弊社も基本在宅勤務のモードに切り替わりました。dbts2019では3日間でずっと秋葉原UDXの会場に居なければいけなかったのですが、今回はオンライン開催のおかげで基本在宅のままでも前期準備期間から長期間のイベント終了まで運営/サポートできました。また、在宅であっても実際の配信中では監視カメラのようにzoomで配信現場とつなぎっぱなしにすることで万が一何か起こったら即時対応も可能になりました。もちろん下記でも述べる「電話対応」の問題がありますが、オンラインイベントは運営の側面から見てもニューノーマル時代にマッチしたイベント形式と考えています。

各書類の電子化による業務の効率化

在宅勤務の普及により業務の電子化もどんどん進んでおります。今回のオンラインイベント運営においても電子化の影響を実感しました。今までは「個人情報保護に関する覚書」などのイベントで必要となる書類は多くの場合、紙+捺印で郵送でしたが、今年はほとんどの書類はPDF+電子サインでの締結でした。私も初めてAdobe Signという電子サインを試しましたが、思ったより便利だと感じました。

印刷系の制作物が作らなくても済むため、時間とコストを省く

イベント運営の経験をお持ちの方は、リアルイベントでは様々な制作物が必要とのことをご存知でしょう。展示会のように大規模ブース設営や大量の造形物作成は無いのですが、dbts2019でも紙版のイベントプログラムや会場に置くバナーなどの制作物を用意しました。一方、オンラインの場合、ランディングページと登録用ウェブサイトさえあれば集客できるため、印刷系の制作物を作る必要がなくなりました。詳細スケジュールを含むプログラムを作るのに結構手間がかかった記憶があるので、その時間とコストを宣伝やウェブサイト構築にまわせるのはオンラインイベントならではのメリットではないかと考えております。ただTシャツをデザインして参加者やスピーカーの皆さんと一緒に着られなかったことはちょっと残念でした。

緊急事態の発生リスクの減少

リアルイベントの現場で急な出来事が起こるのは少なくではありません。例えば、セッション開始前にいきなりセッション内容を変えたり、セッション最中にPCの調子がおかしくなったりといった事故などは、日常茶飯ではないのでしょうか。実は昨年のdbts2019でもセッション開始ギリギリまで海外からスピーカーが交通渋滞で会場に到着できず焦った覚えがありました。それに対して、オンラインの場合はこのようなスピーカーが会場に来ないといった物理的なリスクの発生を減らせます。もちろんライブ配信の場合の場合はオンラインであっても、スピーカーがログインして来ないといった同様なリスクは残りますが、この場合もバックアップで事前収録をおこなっておけば防ぐことは可能です。

運営側から見るオンラインイベント開催のデメリット

電話での即時対応が難しい問題

dbts2020のスポンサー向けの事後アンケートでは「事務局に電話をかけてもなかなか返事がもらえない」というご意見をいただきましたが、確かに電話対応が難しい問題はイベント運営に関わらず在宅勤務では問題になりがちです。ほとんどのスポンサーとはメールでやり取りをして特に問題はなかったのですが、一部電話対応が必要な場合を考慮すると、在宅であってもイベント事務局専用の電話か音声チャットがあった方が良いかもしれません。これは今年の検討課題です。

配信プラットフォームやQ&Aツールなどの問題

今回のdbts2020で使用した、イベント管理や動画配信のプラットフォームはSaaS製品の1つであり、操作が非常に便利である一方、柔軟性が足りないというSaaS製品にありがちな問題もありました。また、バージョンアップのタイミングはユーザ側ではコントロールできないのは分かっていますが、イベント途中で突然配信プラットフォームの仕様が変わってしまい、事前に変更点の連絡がないのには困りました。もっとも、dbts2020が2か月半というベンダーも想定外の開催期間だったのが問題だったのかもしれませんが。また、自社スピーカーのみで行うウェビナーや5セッション程度のセミナーでは配信プラットフォーム内蔵のライブチャットやアンケート機能でも良いのですが、100セッションクラスを管理し、配信できるようなプラットフォームではQ&Aやアンケートのツールが外だしになっているケースもあり、サードパーティのツールとの連携問題もありました。システム連携だけでなく、オンラインセミナーでQ&Aやアンケートをいかにうまく行うかは次回イベントで改善すべき大きな課題の1つと考えています。

長期間開催による集客の問題

先述の特徴の部分でdbts2020を長期間開催の理由について述べましたが、主催者である弊社としても初めてということで、実際に実施してみたら予想していなかった問題も発見できました。それはイベント後半からの集客が減速傾向のある問題です。原因は様々考えられますが、その中、宣伝を打つタイミングをなかなか把握しにくいのは一つ大きなポイントだと思います。短期イベントの場合、大体イベント開始前にDMを配信したり広告を打ったりといった施策をすることで開催前日まで集客できますが、今回のイベントは2ヶ月半に渡るので、開催前に宣伝してもその効果が開催期間の最初から最後までの登録者増加に効果を発揮することは無理でした。もちろん、複数回に分けて実行する手法もあると思いますが、有料のDMサービスやバナー広告の場合にはコストが数倍になる可能性もあり、イベントに対する宣伝の費用対効果を考え直す必要があります。

大型オンラインイベントの開催はdbts2020から初めてなので、想定以上にうまくいった事も、うまくいかなかった事もありましたが、今後より良いオンラインイベントを運営するためには、良い経験となったと思います。オンラインイベントが今後もイベントの主流になると思いますが、今回の経験が次回のdb tech showcaseの改善に役立つだけでなく、ブログを通じて共有することで、少しでも多くの方々のお役に立てるなら嬉しいです。

オンラインイベントが主流になるとしても、リアルイベントでないとできないことがあることも事実です。全世界での、なるべく早いコロナの収束を祈りつつ、今年はリアルのイベント現場で皆様に会える機会が訪れることを期待しております!

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